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  • 執筆者の写真Bucho

不動産購入:購入検討顧客へのご提案 ~回答編~



こんにちは、bucho です。


今日は、6/13(月)に本blog にアップしました記事についての回答編です。あくまで、私のアプローチ手法ですので、一つの参考にしていただければ幸いです。


今回、ご内覧された二つのお部屋はNGだったものの、お客様は、二つともマンション自体は気に入られた訳です。よって、これら二つのマンションで別のお部屋が売りに出されたら、ご検討の範疇ということですよね。


で、不動産仲介の営業として、このお客様に対して、次に何をするか。


ただただ、指をくわえて、こちらの二つのマンションの別のお部屋の売り出しを待ちますか?でも、ただ待ち続けて、売り出しがあればお客様に情報提供する、こんなの、言葉が悪いですが、小学生でもできますよね。


当然、結果が伴うとは限りませんが、仲介の営業とすれば、もっと能動的に動きたい。可能性は限りなく低いことかもしれませんが。


私だったら、まず、お客様のご希望条件に合ったお部屋が、この二つのマンションに何戸あるのかを割り出します。○階以上で専有面積□㎡以上、採光が△向き、予算は■■万円。このような希望条件は、ご内覧前に、お客様より頂戴している情報ですが、その希望に叶うお部屋が、実際に何戸あるのかを確認します。


たとえば、10階以上で専有面積が90㎡以上、採光は北、西向き以外、予算は、5,000万円までとした場合に、この条件に見合うお部屋が何戸あるか。


予算以外は、物件パンフレットをみたら一目瞭然ですよね。パンフレットに、専有面積やバルコニー方向は、ほとんどの場合で記載されていますしね。


次に予算。これこそが、営業の真骨頂。


普段、マンションの価格査定をするとき、どうやって行いますか。様々、指標はあるにせよ、まずは、同じマンション内の過去(直近)の成約事例をみて、坪(㎡)単価や、新築分譲時の販売価格との乖離率(上昇?下落?)を割り出して、査定対象のお部屋にあてがい、査定価格を算出しますよね。


それと同じ手法で、予算以外の希望条件に合致するお部屋が売り出された場合、いくらくらいで売りに出されるかの価格を想定します。


たとえば、坪単価がおよそ160万円で成約しているとすれば、90㎡(27.22坪)であれば、4,355万円(27.22坪×160万円)。新築時の乖離率でみても、110%程度で成約しているとして、当該のお部屋の新築時価格が3,800万円であれば、4,180万円(3,800万円×1.1)となりますので、対象のお部屋の想定売り出し価格は4,000万円~4,500万円になります。


この想定で言えば、5,000万円の予算設定であれば、購入が可能ですよね。ただ、10階以上が対象ですが、上階になればなるほど、想定売り出し価格は上がりますし、専有面積が広くなればなるほど、想定売り出し価格は上がります。


そうやって、お客様の希望条件で購入な可能なお部屋が、この二つのマンションに何戸あるのかを割り出します。


ちなみに、実際のケースでは、予算を含めたお客様の希望条件に合致するお部屋が、①Aマンションは全172戸中11戸、②Bマンションでは全220戸あるものの条件に合致するお部屋は0でした。


こうすることで、購入検討中のお客様は、自身が希望される条件下のお部屋が、現実的に何戸あるかが把握できます。二つのマンションに絞って検討していたものの、予算的には②Bマンションは厳しいということも把握できます。


これを踏まえて、仲介営業として、お客様にご提案できることは、


① Bマンションも含めて検討するために、予算を上げる。

② ①の可否を踏まえて、対象となったお部屋すべてにダイレクトメール等を送り、現在の所有者様に「売りませんか」、「売却の意向はありませんか」と尋ねる。

③ いざ、売りに出された場合に、他の検討客に検討スピードで劣らないように事前準備を促す。


この三点になるかと思います。


①予算を上げる…現在は5,000万円の予算ですが、これを6,000万円とすれば、Bマンションでも3部屋、希望条件に合致する。Aマンションも11戸から15個に増える、など、購入検討中のお客様とより詳細な打ち合わせが可能となります。


②について。お客様の希望条件と合致するお部屋の売り出しを待つだけでは、いつになるかわかりません。可能性は限りなく低いですが、対象となるお部屋の所有者様にダイレクトメール等でアプローチし、売り出し物件を発掘します。メールを受けた所有者様側に万一、売却意向があった場合、より具体的な購入希望者様がいるということを謳ったお手紙の方が、反響がある可能性が高いため、上記①の打ち合わせは重要といえます。


③AマンションとBマンション合わせて全392戸に対し、対象となるお部屋は18戸(Aマンション15戸+Bマンション3戸)です。率にして4.5%。たったの4.5%ですよ。こんな稀少性の高い条件であれば、お客様以外にも検討されている方が潜在していると考えた方がいいと思います。


であれば、資金計画も詰めておいた方がいいですよね。現金購入であればスピード感に問題はありませんが、住宅ローン利用であれば、売買契約前にその事前審査を求められます。その審査に時間がかかると、同時に、他に検討されている方がいらっしゃった場合、スピードで負けてしまいます。ここも準備しておきたいところです。



以上の三点が、このケースにおいて、購入検討者様にご提案できることではないかと個人的には考えます。


ただ売り出しを待つだけであれば誰でもできます。購入希望者様は、買いたいから私たちに相談しているのです。であれば、買いたい人が買える状態を作ってあげるのが不動産仲介に携わるプロとしての仕事ではないかと思います。


不動産屋さんは千三つ屋と言われます。物件が1,000件あって3件成約できるという意味のようです(別の意味もあるようですがここでは割愛…)。率にして0.3%…。この、低い可能性を追う努力を怠ると、買いたい人が希望する物件を見つけることはできません。ただ、売り出しを待つよりも能動的に可能性を追うことが、不動産仲介営業に求められる姿勢だと私は考えます。


長くなりましたが、不動産購入検討者様に対する、私なりのご提案手法を記載させていただきました。拙い文章、失礼しました…。


ではまた。



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