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  • 執筆者の写真Bucho

不動産売却:売りに出したけど、売れなかった場合の対応策



こんにちは、bucho です。今日も暑いですねー。


昨日、本当にショッキングな事件が起こってしまいました。当 blog では、その詳細には触れませんが、物騒な世の中です。注意を払っても防ぎようのないこともありますが、意識することで身を守れる可能性が高まることも多々あります。自然災害への対策も含めて、有事の際の対応策を普段から意識しておきたいですね。


さて、本日のテーマは【所有不動産を売りに出したけど、売れなかったときの対応策】について書きたいと思います。あくまで、個人的な見解です。ご意見等がありましたら、コメントをいただけますとうれしいです。


「地元の○○不動産と専任媒介契約を結んで、2,000万円で売りに出したけど、成約に至らなかった。媒介契約が満期を迎え、契約は終了したが、○○不動産から1,800万円への値下げを提案されている。この価格は妥当かどうかを他の不動産会社にも聞いてみたくて、電話をしました」


これは昨日、弊社に実際の入ったご相談です(価格等、一部変更しています)。


ご相談はお電話で、私が対応したのですが、ご相談者様の第一印象は、とても賢い方なんだろうなーというもの。地元の不動産会社と専任契約をして満期を迎え、値下げの提示を受けたけど、それを鵜呑みにせず、別の不動産会社(今回であれば弊社)に、その価格の妥当性を尋ねてこられた、というのが、そのような第一印象を抱いた理由です。


当然、専任契約期間内で成約に至らないケースは存在します。でも売りたいから「どうしよう」ってなったとき、私が考える一番やってはいけないことは【売れなかった理由の検証をせずに、媒介契約を継続して売り出すこと】です。


売れなかったのには、何らかの理由があるはずです。その理由を検証、100%は分からないまでも仮説を立ててみる、などの策を講じることもなく、売り出しを継続することは、単純に時間を浪費するだけで、特に意味はないと思います。


もっと言えば、そのような検証も何もせず、売れないことを専任契約を締結した不動産会社もしくは担当者のせいにして、これまでと同じ価格、条件で別の不動産会社に売り出しを依頼するというのは、個人的には【愚策】、私が売主さんの立場であったら、こんなことはしないと言えます。


ただ、この話の肝は【検証すること】です。検証の結果、媒介先の不動産会社に問題があったんじゃないかと結論、もしくは仮説をお立てになられた場合は、売り出しを依頼する不動産会社を変更すべきと私は考えます。


検証するためには、これまで売り出しをしていた専任会社の営業担当者とのやり取りが不可欠です。専任期間中の販売状況、広告活動について確認しましょう(専任媒介契約であれば、2週間に一度以上の営業活動報告が義務付けられているため、売主さんも大体は把握しているとは思いますが、おさらいの意味を込めて)。


販売状況

① 売り出し開始後、内覧が一度もなかった → 価格が高い(販売条件が厳しい)

② 内覧は複数回あったが、成約に至らなかった → (A)ネット広告等の資料ベースの印象と、実際に内覧してみての印象にギャップがあった(B)参考見学 or アテ物に使われていただけ ※

③ 上記②の詳細を確認


①の場合は、端的に言いますと、市場において、価格(条件)がミスマッチ。買い手のニーズと乖離があっていると思われます。→ 値下げ、引渡条件緩和が必要です。


②(A)思ったよりも狭かった(狭い印象を受けた)、思ったよりも室内程度が悪かった(リフォーム費用がけっこうかかりそう)、思ったよりも暗かった(資料じゃわからなかったが、バルコニー前に隣のマンションが近接していて光が入らない)など、なんらかのギャップがあったのではないかと推察されます。→ 値下げすることでこのギャップが割り切れるか否かの確認が必要かと思います(例:リフォームに400万円かかる → 売主さんが半分の200万円は値下げで対応しても構わないと言ってますが、検討されませんか?と聞いてみて、割り切れるか否か)。


②(B)アテ物…本当に【決めたい物件】を選んでもらいやすくするための手法。その物件とエリアや築年数、広さが近似する、決めたい物件より【劣る】物件を紹介し、併せて内覧を実施。相対的に【決めたい物件】がよかったと思わせる作戦。その【劣る】物件のことをアテ物と言います。→ 複数の内覧があっていたとしてもアテ物の状態では成約に至る可能性は非常に低いので、上記①と同様、値下げ等が必要と考えます。


参考見学というのもあります。将来的に、このエリアに住みたいので、そのエリア内にあるマンションを見せてもらえないか?というお問い合わせはけっこうあります。これもまた、現段階では購入意欲の低い状況であるため、複数の内覧が発生していても、成約に至る可能性は低いと考えます。


販売状況と、それについての検証は上記のとおりなんですが、もう一つ、検証する要素があります。それは、専任業者の広告活動についてです。


たとえば…


● 物件情報の掲載がポータルサイト一社のみ


 アットホームにしか掲載がされていない。→ SUUMOやホームズに掲載したら、もしかしたら問いあわせがあるかも。


● ふれんずに掲載されていない(メインは福岡の物件)


 福岡での物件探しに一役買っている【ふれんず】。ここに掲載している物件は、前提として【共同仲介可能】であることです。共同仲介とは、簡単に言えば、専任業者だけではなく、他の不動産会社にも、物件の売出情報を共有し、買い手を募るという意味合いです。よって、ここに掲載をしていないということであれば、専任業者が、物件情報を独占的に囲い込んでいる可能性があります。囲い込みは、物件成約の機会損失を招く可能性のある行為です。ここには注意が必要です。


● 掲載情報にアピールポイントの記載がない、写真がない(少ない)


 数ある不動産の中から、内覧希望を勝ち取るためには、多くの情報を提供してあげることが肝要です。空家なのに写真の掲載がないとか、陽当たりがすごくいいのに、明るい室内の写真もアピール文書もないとか、私なら、不動産会社の担当営業の資質を疑いますね。やる気がないと思いませんか?


これら広告活動がどうされていたのかも検証が必要と考えます。


アピールも完璧で広告活動はまったく問題なかったという結論に至った場合で、上記販売状況が①のケースの場合、売りたいのであれば、価格・条件の見直しが必要です。上述しましたとおり、ここまでしているのに、不動産会社を変更するのはまさに【愚策】です。別の不動産会社に変更したところで、やれることは従前の会社と同じかそれ以下。買い手を呼び寄せる魔法なんて、誰も使えないんですよね。


では、次に、真逆のケース。ポータルサイト一社のみに掲載。写真は2,3枚。特に何もアピールはされていない状況だった場合。


私は、この状況であった場合には、即刻、売り出しを依頼する会社を変更した方がいいと思います。はっきり言って、時間の無駄です。そもそも、物件を売ろうという気概すら感じませんよね。


もし、私がこのような状況の物件の売出しをお願いされたら、まずは従前と同一価格(条件)で販売を開始したいと思います。なぜなら、従前に試していないことが多いから。ポータル掲載も一社のみ。写真もほぼない、アピールもされていない。


確かに、一度売りに出た以上、劇的に変わる可能性は低いかもしれませんが、0ではないので、売主さんのためにも、まずは同一価格(条件)で試したいと思います。ただ、いつまでもやっていても意味がないので、10日ほど試してみると思います。


売れなくて困っている場合は、考え得る限りの策を講じた上で、上記販売状況の検証を繰り返すしか、成約への道はありません。


このたび、ご相談をいただきましたお客様に対しても、お電話でこれまでの状況の確認をさせていただきました。週明け月曜日に、役所調査を含めた現地確認を行い、弊社としてのご提案を行う予定となっています。


どういったご提案ができるのか、これから検討が必要ですが、ご相談をいただきました以上、全力でご対応させていただきますので、今しばらく、お時間をください。



※ 売り出し物件が空家の場合で、他社さんから内覧依頼が入った場合は、売主さんからお借りしている鍵を、その業者さんに貸し出すのが一般的ですが、それではアテ物とか参考見学なのかの判別ができないため、弊社では、他社さんの内覧の場合、鍵の貸し出しではなく、弊社スタッフの立ち合って実施しております。これはおそらく、他社さんはほとんどされていない弊社ならではの取り組みです。アテ物の確認のみならず、鍵を貸し出したはいいけど、ちゃんと戸締りがされていなかった、電気が点けっぱなしだったなどの無用なトラブルも防止できます。

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