売却編:土地の査定
こんにちは、buchoです。
今日は火曜日で弊社は定休日ですが、数件こなさないといけない業務があり、仕事をしています。昨日はバタバタしており、blogが書けなかったので、かわりに今日、投稿させていただきます。
今日は、売却編:土地の査定について。
区分所有マンション(分譲マンションの一室)であれば、極論、査定するお部屋と同じ間取り、同じ専有面積の上の階のお部屋が一ヶ月前に3,000万円で売れていたとすれば、この査定するお部屋も大抵の場合3,000万円前後となりますが、土地はそうもいきません。マンション以上に、価格に影響を及ぼすポイントがたくさんあります。
まず、土地の形状と接道の長さ、高低差。真四角の土地と歪な形をした土地、買い手目線で見たとき、同じ価格なら真四角の土地を選ぶ方が多いでしょうね。また、同じ面積であっても、道路に3mしか接していない土地(奥行長い)と道路に20m接している土地では、後者の方が選ばれる可能性は高いと思います。それら土地の高さがすべてフラットだったらいいのですが、接する道路に対してや隣接地に対して、高低差がある土地もありますよね。若干であればいいのですが、擁壁のやり替えを要する高さの違いがあると厄介です。当然、これも査定価格に影響します。
また、仮に売却予定の土地上に古家があれば、売主、買主どちらが負担するにしても、その古家の解体費用が必要となります。たとえば、更地としての相場が3,000万円のエリアで、古家解体に200万円前後かかるとすれば【3,000万円更地渡し】か【2,800万円古家付現況渡し】というのが不動産会社の営業の率直な査定価格の提案となろうかと思います。
用途地域も価格に影響を及ぼします。福岡で言えば、天神や博多など、いわゆる都心部は、商業地域が多いですが、この商業地域は、建蔽率や容積率が大きいため、延床面積の大きい建物が建築が可能です。よって、土地としての価格も高い。
片や、第一種低層住居専用地域は、もっとも規制の強い地域で、簡単に言いますと、住宅が乱立する状況を抑止しています。たとえば春日市であれば、高さ制限10m、外壁後退1mというのがあります。読んで字の如く、建物の高さは10mに、外壁は、土地の境界ラインから1m以上離れたところに設置という規制がかかります。それに加え、敷地面積の最低限度165㎡というものがあります。これは、建物を建築するために165㎡以下に分筆してはいけないというもです。実は、これが価格に大きな影響を及ぼします。
極端な例で検証します。①330㎡の土地と②329㎡の土地があるとします。その広さの差はわずか1㎡ですが、高く売れる可能性が高いのは、①。これは、上述の敷地面積の最低限度の件が影響しています。端的に言えば、①は2宅に分筆が可能で、②は不可能であるということ。②は分筆すると2宅に分かれたどちらかが165㎡を下回るため×ということです。
たとえば、このエリアの相場的な土地の価格帯が2,000~2,500万円としましょう。①の場合は、分筆した後、165㎡=50坪の土地が2宅できます。相場的な土地の価格帯で売り出そうとすれば2,000万円÷50坪=40万円/坪、2,500万円÷50坪=50万円/坪となり、土地の価格を示すときによく言う【坪単価】は40~50万円となります。
次に上記②のケース。②は面積的に分筆不可のため、1宅での販売が絶対要件となります。それをこのエリアの相場的な土地の価格帯にあてはめると、329㎡=99.52坪。2,000万円÷99.52坪=20.1万円/坪。2,500万円÷99.52坪=25.1万円/坪となります。よって【坪単価】は20.1~25.1万円となります。
当然、②の方が2宅に分筆された①の土地より広いため、高く成約するポテンシャルは秘めていますが、土地の価格が上がれば上がるほどに、予算との兼ね合いで、土地を買える人は減っていきます。よって、敷地面積が大きい方が【坪単価】は下がる傾向にあります。だから、同じエリアに住む近所の人が「このエリアは坪40万円で売れるよ」と言っていたとしても、広さや上述した他の要素によっても価格は異なるということです。
ただ、厄介なのが、近所の人が言うのならまだしも、上述した要素が価格に影響するということを知らない営業さんがいるということです。そのエリアの、過去の取引事例をみて、それらの事例地の個別の状況など考えもせず「大体、坪40万円くらいかー」と考え、単純に土地の広さに掛けて算出された価格を【査定価格】として、お客様に伝えているという現実があります。これはまさに愚の骨頂。形状や接道の長さ、高低差。用途地域等の規制。長くなるため、この記事には書きませんでしたが、隣地から非越境や、隣地への越境等、何も考慮しない営業が多数います。というか、取引事例から成約坪単価を割り出して査定対象の土地の広さに掛けるだけなら、子どもでもできる訳で、そもそも営業はいりませんよね笑
もし、そんな感じで査定を受け、現在販売中かつなかなか売れない、という状況の方がいらっしゃいましたら、ご相談ください。ただ、現在の販売価格と私の提示価格に大きな乖離があっても、怒らないでくださいね。
ではまた。
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