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不動産売却:物件の「囲い込み」に注意。



こんにちは、bucho です。


火曜、水曜が定休の弊社は、本日より6月度のスタートを切りました。各スタッフ、定休日に、心身ともにリフレッシュでき、気持ちも新たに、営業活動を行ってまいりますので、引き続き、ご愛顧賜りますよう、お願い申しあげます。


さて、本日のblog テーマは、物件の「囲い込み」について、です。これは、不動産仲介の業界にはびこる、根の深い問題です。以下、すべての不動産会社、担当営業がやっている訳ではないということを前提に、記事を読み進めていただけますと幸いです。


囲い込みとは、簡単に言いますと、所有不動産の売却の依頼先である不動産会社(以下、媒介業者)が、自社での成約を狙い、他の不動産会社からの物件紹介の可否の問い合わせや内覧希望等をシャットアウトすることです。


なぜ、媒介業者は、そのようなことをするのでしょうか。


答えは簡単。自社で買い手を探して成約することで、売主様のみならず、買主様からも仲介手数料を受領できるためです。業界内で言うところの、いわゆる【両手取引】を狙っている訳ですね。


不動産仲介の担当営業は少なからず、実績に応じて、年収が変わります。当然に、より多く仲介手数料を稼げば、その担当営業の身入りが増える訳です。となれば、1件のお取引きで、売主様からも買主様からも仲介手数料を受領できる両手取引を狙った方が、効率的ですよね。


これが、真っ当な営業活動によってもたらされたお取引きであれば、問題ないかと思います。仲介を行っている現場の考えで言えば、お取引きに介在する人が増えれば増えるほどに、契約条件の調整やお引渡しに向けた準備も、むしろ煩雑になります。そのあたりを考慮すると、準備や段取りのハンドリングが上手な営業に任せておいた方が、売主様としても、無用なストレスを抱えないでいいといった側面も確かにあります。


しかし、これが、真っ当な営業活動でないものとしたら、どう思われますでしょうか?


たとえば、物件の売り出しにあたり、A社と専任媒介契約を締結したとします。その、専任媒介契約を締結した不動産会社(媒介業者)の義務の一つに、7営業日以内に、不動産流通機構(レインズ)に対象不動産を登録すること、があります。


不動産流通機構(レインズ)に登録することで、簡単に言えば、日本全国の不動産会社が、対象不動産が売りに出ていることを知ることができます。そして、レインズをみた他の不動産会社に、対象不動産と、購入希望条件と合致ないし近似するお客様がいらっしゃったときに、A社に「この物件は紹介可能ですか?」と問い合わせ、内覧等の段取りを組むシステムが構築されています。


ご存じの方も多くいらっしゃると思いますが、専任媒介契約というのは、不動産会社1社としか契約することができません。とすれば、お客様の物件が、レインズに登録されていなければ、どうなるでしょうか?


結果は明白。


お客様の物件が他社の担当営業の目に触れることはありません。ということは、媒介業者Aは、他社の紹介機会を奪っています。ということは、これは、物件を売りたい売主様の損失ですよね。だって、もしかしたら買ってくれるかもしれないお客様の紹介の機会を奪われている訳ですから。


レインズ以外にも、物件情報が発信されている不動産ポータルサイトをみて、問い合わせしてくる他社の担当営業もいますが、そもそも、専任媒介契約を締結しているのに、7営業日以内にレインズに掲載されていないこと自体、明らかな【宅建業法違反】です。囲い込みたいがための、しょうもない手法です。



そして、囲い込みの手法は、もう一つあります。こちらの方がタチの悪い手法と個人的には思います。


前記した【レインズに掲載していないパターン】とは異なり、レインズにはきっちりと掲載がされているのですが、他社には紹介をさせてくれないパターンです。


一例を簡単に書きます。


他社営業「レインズに掲載されている○○マンションは、当社のお客様にご紹介可能でしょうか?」→ 媒介業者の担当営業「あー、こちらの物件はもうすでに話が入っています」。


と言って、紹介NGを出すパターンです。


他社の営業からすれば、本当に話が入っているかどうかはわからないため、身を引くしかないですよね。でも、話が入っていなかったら、これは、完全に囲い込みです。


そのような状況を防止するため、レインズには、【ステータス管理】というものがあります。購入申込等、具体的な話が入っていなければ【公開中】、何かしらの話が入っていれば【○年○月○日、購入申込あり】などをレインズに謳うことができます。


レインズをみて、公開中にも関わらず、紹介NGを出されたとすれば、それは、ほぼほぼ囲い込み。もちろん、他社営業が問い合わせをした1時間前に購入申込が入ったなど、ステータスの登録・反映までのタイムラグが発生している場合もありますので、100%囲い込みとは言えませんが。


もし、話が入っているという言葉が嘘だったとしたら、どう思われますでしょうか?


私だったら、専任契約を解除したいと思います。だって、私の機会損失ですから。明らかにこれって、顧客(売主様)の利益よりも、自社もしくは営業個人の利益を優先してますよね。そんな会社は信用に値しません。



ちなみに、余談ですが(余談でもないけど)、私が経験した最悪のケースも書きますね。


対象不動産の売り出し情報をみて、私の側に紹介したいお客様がいて、媒介業者に問い合わせをしたら「もうすでに話が入ってます」と断られました。私の側のお客様というのは、私の友人であったため、私は「囲い込みをされているかもしれないから、本当に買いたかったら、媒介業者に直接問い合わせをした方がいいよ」と友人に伝えました。そして、友人が直接媒介業者に連絡したところ「その物件はまだご紹介が可能です。いつ内覧されますか?」と言われたそうです…。


私に言っていることと、まるで違う回答。


でも、こういうことがあるのが、残念ながら、業界の現実なので、私は友人に「買いたければ、媒介業者経由でも内覧した方がいいんじゃない?」と伝えましたが、友人は「そのような業者は信用ならないので、この物件はもういい」とのこと。


これって、売主様にとって、完全な機会損失ですね。内覧したいお客様の気持ちを折った訳ですから。


まだ、この話には続きがあります。


結果、こちらの物件は一定期間売れず、価格が下がっていました。そこで、その友人に「あの物件、価格が下がっているよ」と伝えると「室内が見れるなら見たい」とのことだったため、再度、媒介業者に問い合わせをしました。結果は「価格が下がって間もなく、話が入りました」とのことで、再度、紹介NGを喰らいました。


その内容を友人に伝えると「またっ?」と、半ば呆れ口調。それならしょうがないね、と友人。私に気を遣わずに、買いたければ直接問い合わせをした方がいいと再度伝えましたが「いや、いい」とのこと。


そして、それからしばらく時は経ち…、レインズを見ても売れていない…。ああ、やっぱり話が入っているなんて、嘘だったのか。またしても、機会損失。こんな会社と専任媒介契約を締結している売主様に同情すらしました。


でも、さらに時が過ぎ、結果からお伝えすると、この友人は、結局、私の仲介で、その物件を買うことが叶いました。


私とすれば、この物件の仲介に入れるとしたら、媒介契約が満期を迎える手前のタイミングしかないだろうと思い、満期の少し手前で再度、媒介業者に問い合わせました。すると、紹介OKの返答。おそらく、このまま、満期を迎えたら、最悪の場合、媒介契約が更新されない恐れがあったのでしょうね。ここまで来て、ようやく、両手狙いを捨てたようです。


このケース、どう思われますか?


売主様は、完全に機会損失をしています。その上、もし、私が媒介業者に対して最初に問い合わせをした際に、紹介OKとしていたら、友人はそのままの価格で購入していたかもしれません。それをさせずに、売主様に、200万円ほど価格を下げさせたこの担当営業の罪は大きいと思いませんか?


長くなりましたが、今もなお、このような会社もしくは担当営業がいるのも事実。ただ、勘違いをされたくないのは、物件を売り出すにあたり、不動産会社を1社に絞る専任媒介契約がいけないということではありません。


本気で売りたければ、私は不動産会社は1社に絞るべきと考えていますし、大多数は、囲い込みなんかせず、本気で売主様のために、売ってあげたいと思っている担当営業の方が多いんです。ただ、一部、自身の利益を優先する会社や担当営業がいるから、気を付けないといけないんです。この点につきましては、業界を代表して、謝罪いたします…。


長々となりましたが、媒介契約を締結する不動産会社は、慎重に見極めたいですね。


ではまた。